
3方を2階建て住宅に囲まれ、10年以上空き地だった土地。
その弱点を克服し、光と風が心地よく抜ける開放的なコートハウスへと生まれ変わらせました。
西日の厳しい外観は、お城の「城郭」をイメージした堅牢で窓の少ないデザイン。
しかし一歩中へ入ると、外の遮閉感からは想像もつかない、明るく開放的な大空間が広がります。
敷地内には役割の異なる「4つのコート(中庭)」を配置。
外とゆるやかにつながる縁側のような「オープンコート」、住まいの中心で光と風を集める土間のような「プライベートコート」、そして星空を望む「ルーフテラス」。
廊下の天井をあえて低くすることで、リビングに入った瞬間の吹き抜けの広がりをよりダイナミックに。
2階の窓からは、隣家の隙間を狙って遠くの山並みや田園風景を切り取っています。
地面を感じながら、視線と風がまっすぐに抜ける。
土地の個性を活かしきった、家族が1年中笑顔で過ごせる住まいです。
敷地面積:223.64㎡(約68坪)
延床面積:131.03㎡(約40坪)
構造:木造2階建て
受賞歴:くまもとアートポリス推進賞
八代市内の閑静な住宅地。
北・南・東を2階建ての住宅に囲まれ、西側は道路に面したその敷地は、周囲からの視線や日当たりの確保が難しく、10年以上も空き地のまま残されていた土地でした。
しかし、お施主様の「リビングを中心に、地面を感じながら生活を楽しみたい」という切なる想いを受け、私たちはこの土地の弱点を克服し、豊かな住環境へと再構築する挑戦を始めました。
外観は、西日を遮るために開口部を最小限に抑え、壁をせり出させた堅牢なフォルム。
八代の地域性を生かし、お城の「城郭」をイメージした重厚な佇まいが、夏の厳しい西日から家族を守ります。
しかし一歩中へ足を踏み入れると、その印象は鮮やかに裏切られます。
そこに広がるのは、外観のクローズドな印象とは対照的な、驚くほど明るく圧倒的な開放感に満ちた世界です。
敷地の長所である「風の抜け」と「隣家の隙間にのぞく遠くの山並み」を最大限に活かすため、住まいには適切な位置と大きさで配置された「4つのコート(中庭)」と「ルーフテラス」を設けました。
セカンド玄関として地域の人と気楽に集える「オープンコート」、住まい全体に柔らかな光と心地よい風を行き渡らせる土間のような「プライベートコート」、そして浴室や玄関に面して広がりをもたらす「坪庭」。
さらに2階には、隣家への日陰に配慮しつつ、将来は映画鑑賞のスクリーンにもなる約8帖の「ルーフテラス」を配置しています。
1階の廊下はあえて天井高を2,100mmと低く抑えることで、LDKへ入った瞬間の吹き抜けの開放感をドラマチックに増幅させました。
キッチンからは住空間を一望でき、どこにいても家族の気配と、四季折々の地面の豊かさを感じられます。
夜になれば、城郭のような佇まいの家全体が優しい「灯篭」となり、住人やゲストを温かく迎え入れます。
土地の個性を読み解き、10年の眠りから目覚めさせた、光と広がりを愉しむ至高のコートハウスです。
周囲を2階建て住宅に囲まれ、採光や閉塞感が課題であった八代市の袋小路の敷地において、ネガティブな要素を建築的手法によって解決し、「開放・光・風」をデザインしたくまもとアートポリス推進賞受賞のコートハウスです。
熱負荷の大きい西側ファサードは、開口部を最小限に抑えるとともに、外壁を傾斜させながらせり出させることで空気層を確保し、断熱効果を大幅に向上。
意匠的には地域性を考慮し「城郭」をモチーフとした強固な表情を与え、内部の圧倒的な開放感との間にドラマチックな対比(ギャップ)を生み出しています。
年間を通した太陽の軌道と風の道をシミュレーションし、4つの屋外スペース(オープンコート、プライベートコート、坪庭、ルーフテラス)を緻密に配置しました。
アプローチから続く家事動線・廊下は天井高を2,100mmに低く抑え、そこから1、2階が一体となった大空間のLDKへとつなぐことで、容積以上の「空間的広がり」を創出。
また、隣家の棟の狭間に合わせて2階の高窓や大開口を設置することで、遠方の田園風景や桜並木、山の稜線へと視線を送り、圧倒的な「視覚的広がり」を獲得しています。
さらに、将来の家族構成の変化に伴い床を増床できるよう、計画段階から構造計算に基づき化粧梁の大きさを決定するなど、卓越した可変性も備えています。