
<第一弾>オープンシステムによる家つくりプロジェクト
「この土地では、理想の家は難しいかもしれない。」
そう感じてしまうような、約48坪の扇型の変形敷地。
しかし、その個性的な敷地条件を丁寧に読み解き、発想を反転させることで、
この家ならではの心地よさと豊かな空間体験を生み出しました。
緻密な設計によって、“制約”を“魅力”へと変えていった木造2階建ての住まいです。
敷地面積:158.42㎡(約48坪)
延床面積:103.80㎡(約32坪)
主要構造:木造2階建
施工:オープンシステム(CM分離発注)
道路からの距離をあえて贅沢に取ることで生まれた、深みのある露地(ろじ)的なアプローチ空間。
頭上に広がる吹抜けが、開放的な高さを体感させながら玄関へと優しく導きます。
アーチ壁やシンボルツリーは、美しい景観をつくるだけでなく、道路からの視線をさりげなく遮る機能も兼ね備えています。
一歩室内へ入ると、そこには鮮やかな視覚の仕掛けが。
外壁と内壁を同じ材質でシームレスに繋げ、
その先に地窓と美しい石庭を配置することで、
ウチとソトの境界を曖昧にし、
どこまでも伸びていくような視覚的広がりを演出しました。
生活の中心となる中2階のLDKは、屋根勾配を活かした美しい船底天井のワンルーム空間。
設計段階から家具のサイズに合わせて緻密に計画されています。
さらに、隣家や周囲からのプライバシーを確保するため、外壁の「傾斜壁の角度」をミリ単位で調整。
夏の厳しい日射を遮り、冬のあたたかな光を取り込むパッシブデザインを両立させました。
2階には、余り材をDIYしたベンチが佇む、プライベートな「バスコート(屋外部屋)」や、
お施主様の家事動線を徹底的に考慮したランドリールームも完備。
変形地の制約をすべて「この家だけの魅力」へと昇華させた、
オープンシステム(CM分離発注)による唯一無二の実例です。
「扇型」「変形地」という言葉は、一般的にはマイナスに捉えられがちですが、だからこそこの美しいアプローチや、3台分の駐車場が生まれた。
「壁の仕上げを同じにする」「地窓から石庭を見せる」という『視覚的なマジック(境界の消去)』を使って広さを生み出している。
ただのデザイン(格好良さ)ではなく、隣家からの視線、駐車場の圧迫感、さらには「夏の日射遮蔽・冬の日射取得」というパッシブな光のコントロールまで計算された角度である。